「信頼関係が崩れてしまった生徒との向きあい方」


このことが,先週の「教師による教師のための『勇気づけ会議』」でテーマに上りました。どんなに善意であっても,状況によって行き違いが生まれ,誤解が生じることで,信頼関係を崩してしまう場合は少なくありません。


ましてや,相手は「中学生」という多感な時期ですのでその関係回復にはかなりの時間がかかる場合があります。
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けれども,学校は毎日あるし,授業もあります。
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顔を合わせないわけにはいきません。
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さらに,そういう生徒は,前回学年通信先生方バージョン『和』no.12参照)お話した
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作戦3 権力闘争:勝とう,すくなくとも負けないでいよう
を展開します。
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つまり,<積極的なタイプの子どもの場合>
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○ 反抗という形で強さを誇示する……「勝ってやる」
  (例えば) ことあるごとに言い争い・口ごたえ・嘘をつく・かんしゃくを起こす
         言いつけられたことをしない・禁止されたことをわざと続ける

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こうなってしまえば
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教師が注意すれば注意するほど,いっそうひどく不適切な行動を繰り返します。

 話題に上った生徒も,積極型の生徒で「反抗」という形で,教師に向かいました。
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具体的には,教師が傷つけるような言動をとったのです。
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これに対して,教師はどう向き合うか
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1 その場で注意する→×(火に油,反抗をあおるだけ) 
2 あとで個別にじっくり話す→×(既に壊れているのであまり関係改善は望めない)
3 とりあえずその場ですべきことを終えて対策を練る
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けっこう1,2は多いのではないかと思います。
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3 とりあえずその場ですべきことを終えて対策を練る
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話題提供をしていただいた先生も「3」をとられていました。
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そして
「反抗的な言動をとったその子の一番の思いは「受験に向けて頑張りたい」
ということであるいという情報を得たので」
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 「とにかく,授業で力をつけてあげることが大切である。」と考え
徹底して,「習熟度に応じて力がつけられるように,個別課題を準備した」
ということでした。
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これは,適切な対処法の一つです。
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「作戦3」を展開している生徒(不適切な行動をとっている生徒)については,とりあえず,直接的なアプローチはおいておくことが,教師側のとる大切な作戦です。
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その上で, 適切な行動をとっている生徒の良い面を勇気づけて伸ばし,その学級集団全体の向上を認める中で,不適切な行動をとっている生徒も勇気づけしていくのです。
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さて,そこで,「勇気づけ会議」に参加していた他の先生方からの代替案。
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代替案1 その子をグループで活動させてみる。「受験に向けて頑張りたい」という思いがあるのなら,対教師ではなかなかうまくかない場合も,グループ内での助け合い学習を設定することで,よくなるのではないか。

代替案2 教師がその子を「認めている」ということを「間接的に」伝える。信頼関係が崩れた生徒に,直接,ほめたり,認めることばをかけても素直にはとらない。そこで,その子が信頼を寄せる子どもや教師をから,言葉を掛け続けてもらう。信頼できる第三者の言葉は大事。もちろん,その第三者となる教師や生徒に対して教師本人が信頼をおき,自分の思いを伝えることが大切。また,それで改善がみられなくとも,アプローチし続けることが大切。
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「グループでやるという,考えはなかったので,やってみたい」
「また,声の掛け方も気をつけて,試してみたい」
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ボランティアの先生ありがとうございました。