「和」 その12 〜学年通信先生方バージョン〜
H16 5 12 (水)
「クラスの病気はどのようにして悪化するか」4(『クラスはよみがえる』野田俊作・萩昌子著をもとに)

 作戦3 権力闘争:勝とう,すくなくとも負けないでいよう 1

「どんなことをしてでも注目の中心でいよう」の段階で
教師が,完全に無視したり,あるいは罰したりすると,今度は子どもは

「先生を含めた誰よりも,自分のほうが強いことを証明して,友達の尊敬を集めよう」
と考えて権力を手に入れようとします。……第3番目の作戦
<積極的なタイプの子どもの場合>
○ 反抗という形で強さを誇示する……「勝ってやる」
  (例えば) ことあるごとに言い争い・口ごたえ・嘘をつく・かんしゃくを起こす
↓       言いつけられたことをしない・禁止されたことをわざと続ける
こうなってしまえば

教師が注意すれば注意するほど,いっそうひどく不適切な行動を繰り返します。

<消極的なタイプの子どもの場合>
○ 怠惰な傾向が顕著になる……「負けないぞ」
  (例えば) 勉学意欲を完全に失う・どんなに言っても勉強しようとしない
↓       生活全般に無気力・みるからにだらだら
このような子どもは

徹底して不従順になります

《これらの子どもに直面すると教師は》

「私の権威は一体どこへいってしまったのか」と 感じ
「いったい誰がボスなのか,はっきりさせてやろうじゃないか」と 考え
 強圧的に子どもの行動を変えようとします。
 ↓
(ところが)
教師が,強圧的に正義と権力をふりまわせばふりまわすほど,子どもはますます頑固に不適切な行動を繰り返します

(なぜか?)
それは,教師の作戦が基本的に誤っているからです。
(次回は「作戦3 権力闘争:勝とう,すくなくとも負けないでいよう2」です)