昨年の7月に,鹿児島市立伊敷小学校で学年PTAの時間に「自分も相手も大切に」というオリジナルのワークショップををさせていただきました。親子でいっしょにコミュニケーションの在り方言葉の大切さについて考えてもらいました。たくさんの保護者の方から感想をいただきました。ありがとうございました。


伊敷小PTAワークショップ
H17 7 5(火)

テーマ:自分も相手も大切に
〜相手を大切にすると自分がのびる。相手を大切にしないと自分もダメになる。〜

「自己紹介」&「きょうのワークショップの流れの説明」
  ↓
「バースデーライン」
 バースデーラインをつくり,その順番に座る
 誕生日順の並びを確認後振り返りを行う
○非言語的コミュニケーションを使って並ぶようにさせる。
○ しっかり活動してくれたことに対して勇気づけを行う。
生徒数名に感想を言ってもらう。
  ↓
「コンプリメントと感謝の言葉」
@ 活動内容と意義の説明をする
A トーキングスティックを使って交替でコンプリメントを行う
B コンプリメントをされた生徒は単純に「ありがとう」と言う
C コンプリメントされた時の気持ちや,ありがとうと言われた時の気持ちについて,振り返りを行う
○ぬいぐるみ等のトーキングスティックを使って,交替で行うように配慮する。
○「この1,2週間で,友達に親切にしてもらったり助けてもらったりしてお礼を言いたいことや感謝したいことがありませんか。また,自分がコンプリメントしてほしいことでもかまいません。その時は,誰か手を挙げてコンプリメントをしてあげてくださいね。パスもOKです。あくまで,練習ですの気軽に言ってくださいね」
○悪意のあるコンプリメントの場合の3つの対処法を伝える
○生徒数名に感想を言ってもらう。
  ↓
「表情のワークショップ」(顔を読む)
@ 説明
「二人組で表情のあてっこをします。相手のひとは今どんな気持ちでいますか。分かったら,こっそりと耳元で答えを言って下さい。あたったら,二人とも座って下さいね。」
「では,始めます。」
A ワーク1
A班 「うれしい」→「悲しい」  B班 「楽しい」→「つらい」
B ワーク2
「今度は,ちょっと難しいですよ。「うれしい」でもいろんなうれしいがありますよね。そこで『〜して……。』というように,二つの言葉をつなげて答えて下さいね。さあ,できますか。ただし,今回は身振りは禁止です。顔の表情だけであててくださいね。」
 A班
○ 「テストの点が良くて→うれしい(ほめて!)」
○ 「友達にうそをつかれて→悲しい(信じられない)(うそだ!)」
 B班
○ 「今日は遠足だ!→うれしい!(やった!)」
○ 「いじめられて→つらい(くるしい)(悲しい)(助けて!)」
C 振り返り
「表情のワークショップをやってみて一番印象に残ったことはなんですか。」

「僕って変?私って変?」
@ ファシリテーターのパフォーマンスとリフレーミング
「今みなさんが私を見て,『あれ変だな』,『なんかおかしいぞ』『なんで,○○なんですか』というところを捜してみてください。時間は1分間です。用意始め!」
児童「……」→ファシリテーター「なるほど,実はそれは〜なんです」「私の自慢です」
児童「……」→ファシリテーター「なるほど,実はそれは〜なんです」「私の自慢です」
サクラ「なんでそんな真黒なんですか。変だ!」→ファシリテーター「ありがとう,実はそれは〜なんです。」

A リフレーミングについて
「今私が,みんなが『変だな』と思ったことを,全部自慢にしちゃいましたね。他から見て短所と思うことを,逆に,自分の長所や自慢にしてしまうことを,『リフレーミング』といいます。今日は,自分の嫌な所を相手に伝えて,逆にそれを長所に変えてもらいましょう。相手が上手に『リフレーミング』してくれたと思ったペアから座って見て下さい。」

B 活動……3分

C 振り返り……3分
「この活動を通して気づいたことや考えさせられたことはありませんか。」
D 補足……2分
「どうですか。普段は,この反対のことが行われていませんか。私たちは,ついつい自分と相手の違うことを見つけると,『変だ』とか『おかしい』とか言って,相手の長所さえ,いいところさえ,けなしたり馬鹿にしたりしていませんか。」
「物事を良い風に考えることをプラス思考と(かポジティブシンキングとか)いいます。逆に,悪いほうに悪いほうに考えることをマイナス思考と(かネガティブシンキングとか)いいます。相手を良いほうに,見たり言ったりすると,お互いが気持ちよくなります。逆に,相手を悪いほうに,見たり言ったりすると,お互いが気持ち悪くなります。時には,相手を悪く言うことで気持ちが良くなる人がいるかもしれません。けれども,実は,そういう人も必ず回り回ってじぶんに返ってきます。そして,そのことが,単なるお話ではなく,その科学的な証明もされつつあることを最後にお話します。」

水が教えてくれること

「みなさんは,人間のからだの大部分,が何でできているか知っていますか。」
生徒「(発表)」
「そうです。水ですね。人間のからだのおよそ70%は水でできています。」
「実はある人が,ここに本があるのですが,江本さんとおっしゃるのですが,ある実験をしました。その実験とは,『「水」に文字を見せる』という実験です。」
「一定の条件のもとで,水にいろんな文字をみせて,その文字を見せた時の『水の結晶』を撮影したのだそうです。結晶ってわかりますか。(雪の結晶って,テレビや本等でみたことがきっとあると思いますが,その結晶です。)その結果がここにあります。」
「みたい?」
「はい!」……ありがとう
「これは,何と言う文字を見せた時にできた結晶かあててもらえますか?」
児童「   」
「では,次はこれです。」
「はい。」……ばかやろう
「どうなってる?」
児童「   」
「そうですね,結晶にならずに崩れていますね」
「次は,これです」……ムカツク,殺す
「これは,どうですか。」
「何か,真ん中に人がいて,その周りから泡が攻撃してきている,そして,人の形が崩れている,という風にも見えますね」
児童「   」
「これは,『ムカツク,殺す』を見せたのだそうです」
<小学生の(かわいいね)(ばかやろう)をみせる>

「人間の体のほとんどは水。この実験結果が意味することがわかりますか。人が,これらの言葉を使う時に,自分の言葉によって自分の体の水が,変化しているのです。」
「さっき,『時には,相手を悪く言うことで気持ちが良くなる人がいるかもしれません。けれども,実は,そういう人も必ず回り回ってじぶんに返ってきます。』っていいましたが,これがそのことです。相手に対して悪く言うことで,一番影響を受けるのは,自分自身なのです。自分のからだが言葉によって反応してしまうのだといえるでしょう。」
「相手に心地よい言葉をかけると,自分も心地よくなる。反対に,相手が嫌になる言葉,言葉だけでなく,行動を取れば,相手だけでなく自分も嫌になったり悪くなったりする。ということです。」

「さて,今日のテーマは,『自分も相手も大切に』でした。」
今日の授業全体を通して,一番印象に残ったこと,気付かされたこと,強く心に残ったことをこの用紙に書いて下さいね。」

「今日は,45分,授業を一緒に学んで下さってありがとうございました。また,この場を提供して下さった,伊敷小のPTAのみなさま,先生方本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。」

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