「学力の低い生徒,やる気のない生徒との向きあい方」


学校には様々な生徒がいます。
中でも,学力の低い生徒ややる気の感じられない生徒は多々見受けます。
まあ,全ての生徒が「学力が高く」「やる気があれば」教師の仕事はなくなると言ってもいいかもしれません。
今回はこのテーマが「勇気づけ会議」にあがりました。
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「学力の低い生徒」や「やる気のない生徒」は
はじめから「頑張ろう」とする勇気をくじかれている場合が多いようです。

それでも,何とか年度始めや,学期はじめの数時間は「今度こそは」という前向きの気持ちを持って参加しています。

しかし,えてしてその前向きな気持ちは,教師の不適切な「言葉掛け」や「態度」「表情」等によって打ち砕かれ,またもや勇気をくじかれます。

確かに,学力の低い生徒は,授業についてこれない場合が多いです。

そもそも,集中できない等の問題も抱えている場合も多くみられます。

けれども,それをそのままにしておくと
1 やる気のない無気力な生徒が生まれる
 もしくは
2 授業中に,授業以外のことで注目を得ようとする。

とくに,「2」の生徒の場合は,授業全体の進行をさまたげる場合が多く,
教師がそれを止めさせようとすると,一時的はおさまりますが,それ(授業をさまたげる行為)以外では,授業に参加できないため,これを繰り返すことになります。

(授業参加への手立てをうたずに叱責を繰り返しても効果が無いのです)

そこで,大切になってくることが,
「学力の低い生徒の授業参加の場の確保」と,それに伴って
「自分の授業参加しているという実感を与える」ことです。

具体的には,それぞれの教科によって異なりますが,例えば,私の場合(国語科)は次のようなことに取り組んでいます。

<教科書の音読>
 「漢字がほとんど読めない生徒への配慮」
 1 教師(テープ,CD)による範読
   ……この時に読み仮名を書かせる
 2 個人による黙読と班内での教え合い
   ……読めない漢字を自分で探し,読めなかったものを教え合う
 3 班内で声をそろえての音読
   ……一人がひっかかったら,そこからみんなでまた読む

* 1では,できるだけ読めない漢字を少なくして授業に向かわせることで,授業参加をうながします。
* 2,3では班やグループでの活動を活かして,みんなで授業をつくりあげる場面を設定します。特に遅れがちな生徒が活躍する場を,班内で設定して授業づくりに貢献しているという実感を持たせます。


いずれにしても,
1 「その生徒でもしっかり参加できる工夫」をすることで
2 「参加の場の確保」を図り
 それでもうまくいかない場合を想定して
3 「班やグループ内での助け合いの場」を設け
4 「自分の存在が,実際に授業に役立った」という実感を持たせる
という過程が必要だと考えます。

また,そのためには,そういう「過程を評価する」という教師の評価の工夫も必要になってきます。
(以下略)

 同じ教科でも,それぞれの学習内容によって,工夫する部分が違ってくると思います。また,各教科毎にそれぞれの工夫があると思います。
その際,例えば上記の過程を踏まえて学習させてみてはどうでしょうか。
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