「心が一つになる学級目標のつくり方」

本年度の第一回目の「勇気づけ会議」を実施しました。

議題に上ったのは
「子どもの心を一つにする学級目標の作り方」でした。

部活動をもたれている先生から
「部活動をまとめるのはある程度うまくいくのだが,学級とな
るとなかなか思うようにいかない。部活動と同じように学級づ
くりも何とかしたい」
という提案から「勇気づけ会議」がスタートしました。
そこで以下は,その内容を簡潔にまとめたものです。

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 キーワードは『自己決定』と『共通目標』
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「部活動と学級の相違点はなんでしょう?」
 ↓
それは
「部活動は生徒自身の自己決定によって自ら選んだ集団であり,
目的を明確にもった生徒の集まりであること。」です。

一方
「学級には,学校という単位以外は生徒自身の選択の余地がな
く,人によって与えられた集団であり,自覚的な共通の目的は
ない生徒の集まりであること。」です。
 ↓
つまり,
「学級は,最初に集まった段階では『集団』とは呼べない,た
だの人の集まり」であるということです。

したがって,
「学級を集団にするためには,『共通の目標』をもたせること
が,必要になります。」
 ↓
ところが
「部活動は(もちろん人間形成としてあるわけですが,同時に)
例えば「試合に勝つ」とか「コンクールで入賞する」など比較
的容易に目標設定ができます。また,その「勝つ」ことや「入
賞」することを,明確な集団の成長の指標として提示すること
ができます。」

一方,
「学級は,部活動ほどの容易で明確な目標設定はできません。
そこに,『部活動』と『学級づくり』の違いがあります。」

そこで,必要になってくるのが
「生徒自身が,全員で考え,みんなの共通理解のもとに,自分
たちで『自己決定』した,共通の目標」ということになります。
 ↓
部活動の目標のようにはいかなくても,そこに,次の3つの視
点を大切にしていくことで,学級の目標が自分たちのものとな
ると考えます。
その3つの視点とは
 ↓
○自分たちで決めたか
○みんなが関わっているか
○みんなが納得して(承認して)決めたか です
 ↓
この3つを押さえて,
例えば,次のような学級目標の作り方はどうでしょうか。
 ↓
「子どもの心を一つにする学級目標の作り方」
1 出逢いを語る
……この学級は,自分で決めた(自己決定)わけではない。け
れども,宝くじにあたるような確率での出逢い。それを大事に
したい。
2 担任としての学級への思いを語る
……そんな素敵な出逢いを大切にするために,こんな学級であ
ってほしいという願いを伝える。
3 学級全員の思いをとり上げて学級目標を作り上げていく
(1)全員の思いを書かせる
……先生は,今話したように考えているんだけど,みんなは,
どんな思いがあるだろう。こんな学級だったらいいな,こんな
学級にしたい,そんな思いをまずは書いてみよう。
……「明るい」「いじめがない」など一語で書かせる
……色画用紙にペンやマジックで書かせる
(2)書いたものを,生徒自身に黒板に貼らせる。
……全員の思いが,黒板いっぱいに貼られる
……セロテープ
(3)教師が読み上げながら,近い言葉,似た内容のものでグ
ルーピングしていく。
……こんな思いがかける1年1組のみんなはすごいね。などと
声掛けをしながら。
(4)グルーピングしたものから「キーワード」をとらえてま
とめていく。
……どの言葉を使ってまとめたいですか。
……まとまらない場合は,あとで,学級目標決定のための実行
委員会(学級役員会や班長会等)で決めて,提案する方法もあ
る。
(5)自己決定(集団決定)をさせる。
……今,みんなの思いをまとめると「明るく,思いやりがあり,
何事も精一杯取り組む学級」となったけど,これでいいですか。
(承認の挙手や拍手)
……みんなの思いがつまった学級目標です。自分たちで決めた
ことを,自分たちでやり遂げていくことほど,素晴らしいこと
はありません。先生も,みんなが自分たちで決めたことをやり
遂げていくことを応援しますよ。
……できれば,一人一人の思いのつまった色画用紙も教室に掲
示しておくことで,生徒の所属感を味わわせる工夫とする。
 ↓
もちろん,
「学級目標をお飾りにしてはいけません。常に,この目標に返
って,教師もアプローチをしていくこが必要です。」
 ↓
けれども,
「この過程(プロセス)を経ることで,この段階で部活動にも
あるキーワードである「自己決定」「共通目標」が満たされたこ
とになります。」

さて,
「この方法を試してみますか。あるは,今でてきた中の一部を
試してみますか」
(ボランティアの先生自身の自己決定をしてもらう)

(案を試してもらうことになったので)

「では,また次の会議の時に,いらしゃって報告してもらえま
せんか」

「今日は,先生のおかげで,わたしも含めここにいらっしゃっ
た先生方がたくんさん学ぶことができました。ありがとうござ
いました。