「和」 その6 〜学年通信先生方バージョン〜
H16 4 27 (火)
「クラスの病気はどのようにして悪化するか」1(『クラスはよみがえる』野田俊作・萩昌子著をもとに)
人間のもっとも根源的な欲求はなんでしょう?
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それは,
『所属の欲求』だと考えます。
人間にとって集団に所属する欲求は,生存の欲求よりも強いのです。
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だからこそ,
人間は,所属に完全に失敗したと感じると,自殺することがあるのです。(食べ物を食べられなくなるなどの身体症状も同じでしょう)
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子どもだって同じことです。
あなたのクラスのすべての子どもは,「クラスの中に自分の居場所を確保する」ことを目標にして行動しています。
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適切な行動も,不適切な行動も,究極的にはクラスへの所属を目標にして行われています。
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ところで,
あなたのクラスが*「競争原理」(*「○○の条件を満たしたときだけ,君をクラスの完全な一員だと認めよう。もしそうでなければ,君はこのクラスでは完全な市民権はえられないよ。」というシステム。『○○の条件』とは,例えば,「規則を守ること」や「学業成績」など)で運営されていると
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「所属」という究極目標を達成するために,
子どもたちは「特殊な作戦」によって行動するようになります。
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その作戦は,次の五つがあることが知られています。
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1 賞賛を求める
2 注目を引く
3 権力闘争をしかける
4 復讐する
5 無能力を誇示する
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子どもの問題行動は,これらの5つの作戦のいずれかが展開されているのです。
(次回からは,「5つの作戦と問題行動の関係」を説明します。まずは,「作戦1 賞賛を求める:いい子でいてほめられよう」です)